相性と結婚

うまくいっているカップルのサインは?日常の小さな呼びかけ「ビッド」への応え方の研究

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水面に咲くスイレンの花
Photo: Rhododendrites / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(特定の人を診断するものではありません。出典は末尾)。

「見て、夕焼けがきれい」と声をかけたとき、相手は顔を上げてくれますか。うまくいっているカップルのサインは、記念日や大きな喧嘩より、こうした日常の小さな呼びかけへの応え方に表れます。研究でわかっていることと、自分たちの関係を見分ける手がかりを紹介します。

3行でわかる

  1. つながりを求める小さな働きかけを「ビッド」、それに応えることを「turning toward(相手のほうを向く)」と呼ぶ。
  2. 新婚夫婦を13年追った研究では、離婚に向かった夫婦は喧嘩の多さより、愛情表現が減り「相手は応えてくれる」という感覚が薄れていくことで見分けられた。
  3. 52件の研究をまとめた分析では、相手よりスマホを優先されることが、関係の満足度や「応えてもらえている感覚」の低さと関連していた。

01何が起きているのか

ビッドとは、相手とのつながりを求める小さな働きかけです。それに気づいて応える小さな積み重ねが、関係の土台になると考えられています。

ビッド(bid)は、心理学者ジョン・ゴットマンらが使った言葉です。ジョージア大学の公開資料では、質問、しぐさ、表情、触れることなどを例に挙げています[5]。

たとえば「今日こんなことがあってね」と話しかける。肩に手を置く。テレビを見て笑い、相手の顔を見る。どれも「こっちを見て」という小さな合図です。

こうした合図に気づき、前向きに応えることを「turning toward(相手のほうを向く)」と呼びます。込められたメッセージは「聞いているよ」「あなたと話したい」です[5]。反対に、気づかずに流したり、いら立って突き返したりすると、合図は空振りに終わります。

1回そらしたくらいで関係が壊れるわけではありません。大事なのは、日々の傾向です。

02研究でわかっていること

日常の何気ない瞬間の明るいやりとりは、喧嘩中の態度とつながっていました。長い目で見ると、離婚に向かう夫婦を分けたのは、喧嘩よりも愛情表現と「応えてもらえる感覚」の減り方でした。

Driver & Gottman(2004)[1]

新婚夫婦49組の、10分間の夕食時のやりとりと、15分間の話し合い(意見が対立する話題)を観察した。日常のやりとりに遊び心や熱意がある夫婦ほど、対立した話し合いの最中にもユーモアや愛情を見せやすかった。

対象: 新婚夫婦49組 / 限界: 観察にもとづく相関の研究で、日常のやりとりが原因だとは断定できないと著者自身が書いている。

Hustonら(2001)[2]

新婚夫婦を13年間追跡した。離婚に向かった夫婦を分けたのは、結婚初期に不満やいさかいが増えたことではなかった。愛情が冷め、目に見える愛情表現が減り、「相手は自分に応えてくれる」という確信が薄れていく「幻滅」の過程だった。

対象: 新婚夫婦 / 限界: 結婚初期の2年間の変化と13年後の結果を結びつけた研究で、他の国や今のカップルにそのまま当てはまるとは限らない。

Niら(2025)[3]

52件の研究(58サンプル、計19,698人)をまとめた。相手にスマホを優先される経験が多い人ほど、関係の満足度が低く(r = −0.22)、相手が応えてくれるという感覚も低かった(r = −0.29)。衝突の多さとも関連していた。

対象: 52件の研究の参加者 / 限界: 多くが一時点の調査で、スマホが関係を悪くするのか、関係が悪いからスマホに向かうのかはわからない。

Joelら(2020)[4]

43件の追跡研究(11,196組)を機械学習で分析した。関係の質を最もよく予測したのは、「相手はこの関係に本気だ」という感覚、相手へのありがたみ、性生活の満足、「相手も満足している」という感覚、衝突の少なさだった。

対象: 29の研究室が集めた43件のデータ / 限界: 研究開始時の関係の質はある程度予測できたが、その後に良くなるか悪くなるかは、ほとんど予測できなかった。

ネットでは「別れなかった夫婦は86%の呼びかけに応え、別れた夫婦は33%だった」という数字がよく紹介されます。これは一般向けの書籍や解説記事で広まった数字で、この記事で確認できた査読論文の要旨には載っていませんでした。そのため、ここでは根拠として使っていません。

03見分けるサインと、今日からできる一歩

見るべきは、小さな呼びかけへの反応が「続いているか」「減ってきたか」です。1日の出来事より、ここ数か月の傾向で判断します。

日常の場面うまくいっているサイン気にかけたい変化
話しかけたとき顔を上げる、短くても返事がある聞こえていないことが増えた
うれしい話をしたとき一緒に面白がる、質問が返ってくる「ふーん」で終わることが多くなった
触れる・寄りかかる自然に応じる以前より愛情表現が減ってきた
2人でいる時間スマホを置いて話す時間がある会話の最中もスマホが優先される
意見が対立したとき笑いや優しさが混じる黙り込む、突き放す
1

今日の呼びかけを3つ思い出す

寝る前に、自分が送った呼びかけと相手の反応を3つ思い出します。責めるためではなく、傾向をつかむためです。

所要 2分

2

自分から1回、相手のほうを向く

相手が話しかけてきたら、スマホを置いて顔を見て、ひと言返します。「そうなんだ、それでどうなったの」で十分です。

所要 30秒

3

「減った」と感じたら言葉にする

「最近、話しかけても返事がないことが多くて寂しい」と、責めずに自分の気持ちとして伝えます。気づいていないだけのこともあります。

所要 5分

話を聞いてもらえるかどうかの研究は「わかってくれる人」と長続きする理由(応答性の研究)、感謝の伝え方は感謝と恋愛の研究で詳しく紹介しています。相手の変化が気になるときは冷めたサインチェックでも確かめられます。

04距離の取り方と相談先

応え方が減っただけなら、話し合いで立て直せることがあります。呼びかけるたびに無視される、馬鹿にされる、怒鳴られる状態が続くなら、関係の問題を超えています。

  • マンネリが原因に思えるときは、新しいことを一緒にする研究が参考になります。
  • 話し合いのたびに相手が黙り込むなら、ストーンウォーリングの記事を読んでみてください。
  • 2人で話しても変わらないときは、夫婦カウンセリングなど第三者の力を借りる方法もあります。
  • 「応えてくれないのは自分のせい」と抱え込まないでください。応えるかどうかは相手の選択でもあります。
呼びかけを無視される、否定される、怒鳴られるなどが続き、つらいと感じるときは、DV相談ナビ(#8008)や24時間対応のDV相談+(0120-279-889)に相談できます。

05よくある質問

日常の呼びかけと長続きする関係について、よくある疑問に研究の範囲で答えます。

うまくいっているカップルに共通するサインは何ですか?

日常の小さな呼びかけに、相手がきちんと反応してくれることです。新婚夫婦を13年追った研究では、離婚に向かった夫婦は喧嘩の多さより、愛情表現が減り、相手が応えてくれるという感覚が薄れていくことで見分けられました。

ビッド(bid)とは何ですか?

相手とのつながりを求める小さな働きかけのことです。質問、しぐさ、表情、触れることなどが含まれます。ビッドに応えることを「turning toward(相手のほうを向く)」と呼びます。

「86%と33%」という数字は本当ですか?

一般向けの書籍や解説記事でよく紹介される数字ですが、この記事で確認できた査読論文の要旨には載っていませんでした。そのため、この記事では根拠として使っていません。

相手がスマホばかり見ているのは、関係が悪いサインですか?

それだけで決めつけることはできません。52件の研究をまとめた分析では、相手のスマホ優先は関係の満足度の低さと関連していましたが、多くが一時点の調査で、どちらが原因かはわかっていません。

出典

  1. Driver, J. L., & Gottman, J. M. (2004). Daily marital interactions and positive affect during marital conflict among newlywed couples. Family Process, 43(3), 301-314. https://doi.org/10.1111/j.1545-5300.2004.00024.x
  2. Huston, T. L., Caughlin, J. P., Houts, R. M., Smith, S. E., & George, L. J. (2001). The connubial crucible: Newlywed years as predictors of marital delight, distress, and divorce. Journal of Personality and Social Psychology, 80(2), 237-252. https://doi.org/10.1037/0022-3514.80.2.237
  3. Ni, N., Ahrari, S., Zaremohzzabieh, Z., Zarean, M., & Roslan, S. (2025). A meta-analytic study of partner phubbing and its antecedents and consequences. Frontiers in Psychology, 16, 1561159. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2025.1561159
  4. Joel, S., Eastwick, P. W., Allison, C. J., et al. (2020). Machine learning uncovers the most robust self-report predictors of relationship quality across 43 longitudinal couples studies. PNAS, 117(32), 19061-19071. https://doi.org/10.1073/pnas.1917036117
  5. Futris, T. G. (University of Georgia Cooperative Extension). Bids for Connection: Creating Positive Interactions in Your Marriage. https://fieldreport.caes.uga.edu/publications/C1052-26/bids-for-connection-creating-positive-interactions-in-your-marriage/