相性と結婚

喧嘩中に黙り込む「ストーンウォーリング」は
危険なサインか

約4分で読めます

Historicist villa with Art Nouveau elements. Planned by Marcell Komor. Built to Ferenc Wilhelm mathematician and accountant. Builder: Béla L
Photo: Globetrotter19 / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(特定の人を診断するものではありません。出典は末尾)。

喧嘩になると、相手が急に黙り込んで何も答えなくなる。無視されているようで怖い、このまま関係が終わるのではと不安になる。そんな経験をしたことがある人は少なくありません。この「黙り込み」は、実は心理学の研究で何十年も調べられてきた、よく知られた行動パターンです。

3行でわかる

  1. 心理学者ジョン・ゴットマンらの研究では、喧嘩中に相手との関わりを拒んで黙り込む行動(ストーンウォーリング)は、離婚を予測する行動パターンの一つとして報告されています。
  2. ただし2025年の追試研究では、同じ4つの行動の中でも「軽蔑」の方が関係への影響が大きいという結果が出ており、黙り込みだけで即座に危険と判断するのは早計です。
  3. 相手を罰するための「無視」と、感情があふれて反応できなくなる「ストーンウォーリング」は別の現象とされ、見分け方や対処法も変わります。

01何が起きているのか

喧嘩中に黙り込むのは、相手を罰したいからとは限りません。心拍数が上がりすぎて、頭が働かなくなっている可能性があります。

心理学者ジョン・ゴットマンは、長年夫婦の喧嘩を観察してきました。その中で見つけたのが、心拍数が1分間に100を超えるほど感情が高ぶると、人は言葉で冷静に対応する余裕を失い、その場から気持ちごと離れてしまうという現象です。これを「情動の氾濫(かんじょうが高ぶりすぎて処理しきれない状態)」と呼び、黙り込んで反応しなくなる行動を「ストーンウォーリング(石壁のように閉ざす、の意味)」と名付けました。

似た行動に「サイレントトリートメント(無視・冷遇)」があります。こちらは相手を罰したり、コントロールしたりする意図を持って行われることが多いとされ、ストーンウォーリングとは区別されます。ただし外から見ると、どちらも「黙り込む」という同じ行動に見えるため、見分けるのは簡単ではありません。

02研究でわかっていること

黙り込みは離婚予測の研究で繰り返し取り上げられてきた一方、近年の追試では「軽蔑」の方が関係への影響が大きいという結果も出ています。

Gottman と Levenson(1992)[1]

73組の夫婦を1983年と1987年に調査したところ、後に関係が悪化した夫婦は、相互作用から距離を置く「頑固さ・離脱」や、指先の脈拍の変化など、身体が緊張している兆候を多く示していました。

対象: 夫婦73組・4年間隔の追跡調査 / 限界: 観察室での15分間の会話という限られた場面の分析であり、日常のすべての喧嘩に当てはまるとは限らない

Gottman と Levenson(2002)[2]

79組の夫婦を14年間追跡した分析では、そのうち21組が離婚しました。感情が高ぶりすぎる関係は結婚の早い時期に、逆に気持ちが冷えて距離が生まれる関係は結婚の後の時期に、離婚につながりやすいという2つのパターンが見つかりました。

対象: 夫婦79組・14年間の追跡調査 / 限界: 統計的な関連を示したものであり、黙り込みそのものを離婚の「原因」と断定したものではない

Hashemiら(2025)[3]

イランの既婚カップル780組を対象にしたネットワーク分析では、ゴットマンが挙げた4つの行動(批判・軽蔑・防御・黙り込み)のうち、関係への影響がもっとも大きかったのは「軽蔑」でした。黙り込みは4つの中で突出した数値ではありませんでした。

対象: イランの既婚カップル780組 / 限界: 文化的背景が異なる集団の結果であり、そのまま日本の夫婦にあてはまるとは限らない

Dubeyら(2026)[4]

「無視・冷遇」に関する15件の査読論文をまとめた系統的レビューでは、無視を受けた側だけでなく、する側にも、心理的な健康の低下や長期的なつらさ、関係満足度の低下が見られました。

対象: 15件の査読論文をまとめた系統的レビュー / 限界: 無視が意図的なものか、感情の氾濫によるものかまでは区別されていない

03見抜くサインと、身を守る小さな一歩

一回の黙り込みで即断せず、「よくあるパターンか」「話し合いに戻ってこられるか」を見ることが手がかりになります。

1

心拍数が上がっていないか、自分にも相手にも目を向ける

声が大きくなる、早口になる、体がこわばるなどは「情動の氾濫」のサインとされています。無理に話を続けず、一度離れる提案をしてみましょう。

所要 1分

2

「少し休憩しよう」と時間を決めて提案する

気持ちが落ち着くまでの時間(20分程度)を置くことが研究で勧められています。「いつ話し合いに戻るか」を決めておくと、無視ではなく「一時中断」だと伝わりやすくなります。

所要 20分

3

繰り返しのパターンかどうかを振り返る

一度の喧嘩ではなく、毎回同じように黙り込んで話し合いが進まない場合は、関係全体のパターンとして見る必要があります。

所要 数日

04距離の取り方と相談先

話し合いそのものが毎回成立しない場合は、二人だけで抱え込まず、専門の相談先を頼る選択肢があります。

05よくある質問

黙り込まれたら、すぐに別れを考えるべきですか?

黙り込み自体は離婚を予測する行動パターンの一つとして研究で報告されていますが、2025年の追試研究では、4つの行動パターンの中でも「軽蔑」の方が関係への影響が大きいという結果も出ています。一度の黙り込みだけで判断せず、繰り返しのパターンかどうかを見ることが大切です。

ストーンウォーリングと無視(サイレントトリートメント)はどう違うのですか?

ストーンウォーリングは、感情があふれて頭が働かなくなり、反応できなくなる状態とされています。一方サイレントトリートメントは、相手を罰したりコントロールしたりする意図を持って行われることが多いとされ、区別されています。

黙り込まれたとき、どうすればいいですか?

無理に話を続けさせようとせず、気持ちが落ち着く時間を置いて、いつ話し合いに戻るかを決めておく方法が研究で勧められています。

この記事は一般的な情報で、特定の人物を診断・断定するものではありません。暴力や支配が疑われる場合は、配偶者暴力相談支援センターや警察相談専用電話(#9110)など専門機関に相談してください。

出典

  1. Gottman JM, Levenson RW. (1992). Marital processes predictive of later dissolution: Behavior, physiology, and health. Journal of Personality and Social Psychology, 63(2), 221-233. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/1403613/
  2. Gottman JM, Levenson RW. (2002). A two-factor model for predicting when a couple will divorce: Exploratory analyses using 14-year longitudinal data. Family Process, 41(1), 83-96. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11924092/
  3. Hashemi B, Zarghami MH, Nodehi D. (2025). Understanding marital conflict: A network analysis of Gottman's four horsemen and attitude toward the past and demographic variables in Iranian couples. Journal of Sex & Marital Therapy. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41255247/
  4. Dubey A, Kumar R, Srivastava A, et al. (2026). Antecedents and consequences of silent treatment in close adult relationships: a systematic review. Frontiers in Psychology. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41768174/