駆け引きと心理

自分の嫉妬は普通の範囲か、行き過ぎか。3つの嫉妬の型で見分ける研究

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しおれかけたバラ
Photo: 多多123 / CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(特定の人を診断するものではありません。出典は末尾)。

恋人が誰かと楽しそうに話しているだけで、胸がざわつく。そんな自分に「嫉妬深すぎるのでは」と不安になることがあります。研究から言えるのは、嫉妬そのものは普通の感情だということです。手がかりは強さではなく、何に反応しているか、そして嫉妬が行動にどう出ているかにあります。

3行でわかる

  1. 研究では、嫉妬を「反応する嫉妬」「不安からくる嫉妬」「防ごうとする嫉妬」の3つに分けて考えます。
  2. 相手の実際の行動に動揺する「反応する嫉妬」は、関係の質の高さと結びついていました。根拠のない心配が続く嫉妬は、関係の質の低さと結びついていました。
  3. 相手を確かめる・相手の交友を制限したくなるなら、行き過ぎのサインです。生活に支障が出ているなら、一人で抱えず相談してかまいません。

01何が起きているのか(悩みの正体)

嫉妬は誰にでもある感情で、それ自体は異常ではありません。研究では、現実に反応する一時的な嫉妬から、長く続いて生活を妨げる嫉妬まで、ひと続きのものとして扱われています。

スウェーデンの研究チームは、嫉妬を一本の物差しの上に並べて説明しています[6]。片方の端は、現実の出来事にもとづく、一時的で役に立つ嫉妬です。もう片方の端は、長く続き、強さや自覚の程度もさまざまな嫉妬です。

つまり「嫉妬するかどうか」より、「物差しのどのあたりにいるか」が問題になります。それを見分けるために、オランダの心理学者ブンク(Buunk)は、嫉妬を3つの型に分けました[1]。

この記事は、自分の嫉妬を見直したい人のための内容です。恋人から嫉妬を理由に束縛されている側の話は、嫉妬と束縛の違いの研究にまとめています。

02研究でわかっていること

3つの型は、関係への影響が逆向きでした。反応する嫉妬は関係の質の高さや信頼と結びつき、不安からくる嫉妬は関係の質の低さや不安定な愛着と結びついていました。

型何が起きているか研究で見られた関連
反応する嫉妬相手が実際に他の人と親しくしたときに、動揺や怒りを感じる異性カップルでは関係の質とプラスの関連[2]。信頼の高さとも結びつく[3]
不安からくる嫉妬相手が何もしていなくても、浮気の可能性をくり返し考えて心配する異性カップル・男性同士のカップルで関係の質とマイナスの関連[2]
防ごうとする嫉妬相手が他の人と接すること自体を防ごうとするマキャベリズム(人を操作しようとする傾向)が最もよく予測した[4]

Barelds・Dijkstra(2006年)[2]

異性カップルでは、反応する嫉妬が強い人ほど関係の質が高かった。一方、不安からくる嫉妬は、異性カップルと男性同士のカップルで関係の質の低さと結びついていた。嫉妬をひとまとめにせず、型を分けて見る必要があると結論づけている。

対象: 295人(男性同士のカップルの男性76人、女性同士のカップルの女性79人、異性カップルの女性70人・男性70人) / 限界: 一時点の調査で、どちらが原因かはわからない。

Rydell・Bringle(2007年)[3]

2つの研究で、感情としての「反応する嫉妬」と、疑いや確かめる行動を含む「疑いの嫉妬」を比べた。反応する嫉妬は、相手への信頼や、関係に頼る度合いの高さと結びついていた。疑いの嫉妬は、不安定さ、不安や回避の強い愛着、自己価値の低さと結びついていた。

対象: 2つの調査の回答者 / 限界: 自己回答の相関研究。

Rodriguezら(2015年)[5]

恋人がいる261人の調査。見捨てられる不安が強い人は、相手への信頼が低いときに、疑いの考えと確かめる行動(持ち物をのぞくなど)がずっと強くなった。この組み合わせは、相手への暴力以外の攻撃(言葉や態度による攻撃)とも結びついていた。

対象: 交際中の261人 / 限界: 一時点の調査で、因果関係はわからない。

r = .60
1,076人を調べたスウェーデンの調査では、とらわれた嫉妬の強さは、仕事などの生活への支障と強く相関していました。言葉の攻撃とも相関していました(r = .51)[6]。

嫉妬しやすさには、性格も関わります。847人を調べた研究では、神経症傾向(不安や落ち込みの感じやすさ)が高い人ほど嫉妬が強く、その一部は不安の強い愛着を通して説明されていました[7]。不安の強い愛着の仕組みは、愛着スタイルと恋愛の相性の研究で詳しく扱っています。

03見分けるサインと、小さな一歩

自分の嫉妬は「きっかけが現実にあったか」「頭の中で何度もくり返しているか」「相手を確かめる・制限する行動に出ているか」の3点で見直せます。これは診断ではなく、自分の状態を整理するための目安です。

  • 普通の範囲に近い: 相手の具体的な言動がきっかけで、動揺してもしばらくすると落ち着く。
  • 不安からくる嫉妬に近い: 相手が何もしていなくても、浮気の場面を何度も想像してしまう。
  • 行き過ぎのサイン: スマホやSNSを確かめたくなる、相手が誰と会うかを決めたくなる、仕事や睡眠に支障が出ている。
1

きっかけを1行で書く

嫉妬を感じたら、「相手が実際に何をしたか」を1行で書きます。書けないなら、気持ちの出どころは相手の行動より自分の不安の側にあります。

所要 2分

2

確かめる行動を1つ見送る

スマホをのぞく、居場所を何度も聞く。研究では、信頼が揺らいだときに確かめる行動が強まり、言葉や態度での攻撃とも結びついていました。今日は1つだけ見送ってみます。

所要 1日

3

責めずに気持ちだけを伝える

「誰と会っていたの」と問い詰める代わりに、「少し不安になった」と自分の気持ちを主語にして伝えます。疑いをどう確かめるかは問い詰めずに確かめる方法の研究が参考になります。

所要 5分

相手のスマホを見たくなる衝動の仕組みは、恋人のスマホを見てしまう心理の研究にまとめています。

04距離の取り方と相談先

嫉妬で生活に支障が出ている、相手を制限したくなる気持ちが止められないときは、一人で抱えずに相談してかまいません。こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)が使えます。

  • スウェーデンの調査では、回答者の8%が嫉妬について専門的な支援を「望む」、17%が「たぶん望む」と答えました。合わせて約25%です[6]。助けを求めるのは珍しいことではありません。
  • 以前にも嫉妬に悩んだ経験がある人ほど、症状が重く、支援の必要を感じやすい傾向がありました[6]。
  • 相手を制限すること(交友を禁じる、スマホを見せさせる)は、気持ちの問題を超えて相手を傷つける行動になり得ます。そう感じたら、まず行動を止めることを優先してください。
  • この記事の目安を、恋人や他人に当てはめてラベルを貼る使い方はしないでください。判断は専門家の領域です。
眠れない、気分の落ち込みが続く、嫉妬の考えが頭から離れないときは、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)に相談できます。受付の曜日・時間は都道府県によって異なります(厚生労働省)[8]。

05よくある質問

自分の嫉妬についてよくある疑問に、確認できた研究の範囲で答えます。

恋人に嫉妬するのは普通のことですか?

普通のことです。研究では、嫉妬は現実の出来事に反応する一時的で役に立つものから、長く続いて生活を妨げるものまで、連続したものとして扱われています。嫉妬があること自体より、どの型の嫉妬か、生活に支障が出ているかが手がかりになります。

行き過ぎた嫉妬のサインは何ですか?

相手が何もしていないのに浮気の心配が頭から離れない、スマホや持ち物を確かめたくなる、相手の交友関係を制限したくなる、の3つが目安です。研究では、こうした嫉妬は関係の質の低さや、相手への言葉の攻撃と結びついていました。

嫉妬深いのは性格だから直らないのですか?

性格だけで決まるわけではありません。研究では神経症傾向(不安の感じやすさ)や不安の強い愛着が嫉妬と関連していましたが、相手への信頼が低いときに嫉妬が強まることもわかっています。きっかけと行動を分けて見直すことで、扱い方は変えられます。

嫉妬で苦しいとき、どこに相談できますか?

気分の落ち込みや眠れない状態が続くなら、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)に相談できます。受付の曜日・時間は都道府県によって異なります。スウェーデンの調査では、回答者の約25%が嫉妬について専門的な支援に関心を示していました。

出典

  1. Buunk, B. P. (1997). Personality, birth order and attachment styles as related to various types of jealousy. Personality and Individual Differences, 23(6), 997-1006. https://research.rug.nl/en/publications/personality-birth-order-and-attachment-styles-as-related-to-vario/
  2. Barelds, D. P. H., & Dijkstra, P. (2006). Reactive, anxious and possessive forms of jealousy and their relation to relationship quality among heterosexuals and homosexuals. Journal of Homosexuality, 51, 183-198. https://doi.org/10.1300/j082v51n03_09
  3. Rydell, R. J., & Bringle, R. G. (2007). Differentiating reactive and suspicious jealousy. Social Behavior and Personality, 35(8), 1099-1114. https://doi.org/10.2224/sbp.2007.35.8.1099
  4. Barelds, D. P. H., & Dijkstra, P. (2021). Exploring the link between bright and dark personality traits and different types of jealousy. Psychological Topics, 30(1), 77-98. https://doi.org/10.31820/pt.30.1.4
  5. Rodriguez, L. M., DiBello, A. M., Øverup, C. S., & Neighbors, C. (2015). The price of distrust: Trust, anxious attachment, jealousy, and partner abuse. Partner Abuse, 6, 298-319. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5380380/
  6. Ahlen, J., Bjureberg, J., Lenhard, F., Wahlund, T., Linde, J., & Mataix-Cols, D. (2023). Obsessional jealousy in a community sample: Association with relationship factors, impairment and perceived treatment needs. British Journal of Clinical Psychology, 62, 298-311. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10107517/
  7. Richter, M., Schlegel, K., Thomas, P., & Troche, S. J. (2022). Adult attachment and personality as predictors of jealousy in romantic relationships. Frontiers in Psychology, 13, 861481. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2022.861481
  8. 厚生労働省「まもろうよ こころ」電話相談(こころの健康相談統一ダイヤル). https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/soudan/tel/