駆け引きと心理

謝らない人の心理とは
謝罪と関係修復の研究でわかったこと

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Wilted flowers on the cemetery Friedhof Obermenzing - a former tulip bouquet thrown on the compost heap
Photo: Kritzolina / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開されている研究論文をAI(Claude)が調べ、内容を確認して整理しました。特定の人を診断・判定するものではありません。出典は末尾にあります。

けんかのあと、相手がなかなか謝らず、気まずい空気だけが残る。「悪いと思っていないのかな」と不安になりますが、謝らない背景には、単純な「悪いと思っていない」以外の心理が関わっていることが、研究から見えてきています。

3行でわかる

  1. 謝らない人の多くは、悪いと思っていないわけではなく、謝ることで自分の評価や関係が傷つくのを恐れているとされる。
  2. 感情を込めた謝罪は、何もしないより許されやすくなることが、22件の研究をまとめた分析でわかった。
  3. 「自分には特別な扱いを受ける権利がある」という感覚が強い人ほど、謝られても許しにくく、自分も謝りにくい傾向が複数の実験で示されている。

01何が起きているのか(悩みの正体)

謝らないのは「悪いと思っていない」からではなく、謝ることへの心理的なハードルの高さが背景にあるとされている。

心理学者キャサリン・シューマン氏は2017年のレビュー論文で、質の高い謝罪を妨げる要因を3つに整理しています。(1)相手や関係への関心の低さ、(2)謝ることで自分の評価が下がるという脅威、(3)謝っても意味がないという思い込み、の3つです。つまり謝らない人は、罪悪感がないのではなく、謝ることそのものに心理的なコストを感じている場合が多いということになります。

とくに「自分には特別な扱いを受ける権利がある」という感覚(心理学では権利意識、エンタイトルメントと呼ばれます)が強い人は、謝る・許すのどちらにも消極的になりやすいことが、2004年の研究で示されています。これは性格診断ではなく、あくまで傾向の話です。

02研究でわかっていること

謝罪のハードルの高さ、権利意識、謝り方の違いが、許しやすさにどう関わるかが、複数の研究で調べられている。

Schumann(2017年)[1]

質の高い謝罪を妨げる要因を、(1)相手や関係への関心の低さ、(2)自己イメージへの脅威、(3)謝罪は効果がないという思い込み、の3つに整理したレビュー論文。

対象/性質: 心理学のレビュー論文(複数の実証研究をまとめたもの) / 限界: 個別の実験ではなく、既存研究の整理が中心。

Exlineら(2004年)[2]

6つの実験を通じて、「自分には特別な扱いを受ける権利がある」という感覚(権利意識)が強い人ほど、過去の出来事を許しにくく、相手への償いを強く求める傾向を示した。この傾向は、違反の重さや謝罪の有無、関係の親密さなど他の要因を考慮しても、独立して見られた。

対象/性質: 大学生などを対象にした6つの実験・質問紙調査 / 限界: 多くが欧米の大学生を対象にした調査で、実際の恋愛関係での再現は別の研究課題。

Russellら(2025年)[3]

感情を込めた謝罪に関する22件の研究をまとめた分析で、感情を込めた謝罪は、感情を示さない謝罪や何もしない場合と比べて、相手から許されやすくなる傾向が確認された。

対象/性質: 感情表現を伴う謝罪に関する22研究のメタ分析 / 限界: 研究で扱われた感情の種類がまだ限られており、謝る側・受け取る側双方の視点を比べた研究は少ない。

Gollwitzer・Okimoto(2021年)[4]

許す・許さないという反応がその後の関係にどう影響するかは、被害を受けた側の意図(関係を続けたいのか、自分を守りたいのか、相手を傷つけたいのか)と、相手がその意図をどう受け取るかの組み合わせで変わると提唱した理論枠組み。

対象/性質: 既存研究を整理した理論論文 / 限界: 枠組みの提示が中心で、個別の数値データは示されていない。

03見抜くサインと、身を守る小さな一歩

話をそらす、相手のせいにする、「ごめん」と言っても行動が変わらない、の3つが代表的なサインとされる。

1

自分を責めすぎない

相手が謝らないからといって、すべてが自分のせいとは限りません。まずその前提を手放しましょう。

所要 0分

2

言葉だけでなく行動の変化を見る

研究では、感情の込もった謝罪ほど許されやすいとされていますが、本当の謝罪は、その後の行動の変化にも表れます。

所要 数週間かけて観察

3

自分の気持ちを短く伝えてみる

「あのとき、こう感じた」と短く伝えてみましょう。相手がどう反応するかも、一つの情報になります。

所要 5分

04距離の取り方と相談先

一度謝らなかったことだけで関係を決めつけず、繰り返しのパターンを見ることが大切。改善が見られないまま苦しい状態が続くなら、第三者に相談する。

話し合いがうまくいかず、関係に苦しさを感じる場合は、地域の男女共同参画センターの相談窓口や、よりそいホットライン(0120-279-338)など、無料で話を聞いてもらえる公的な窓口があります。言動がエスカレートし支配的・攻撃的だと感じる場合は、配偶者暴力相談支援センターやDV相談ナビ(#8008)への相談も検討してください。

05よくある質問

謝らない人は、みんなナルシストなのですか?

いいえ。謝らない理由はさまざまで、権利意識の強さはその一つにすぎません。ナルシシズムの傾向が強いかどうかを自分だけで判定しようとせず、診断は専門家の領域として扱ってください。

謝られたら、すぐ許すべきですか?

急ぐ必要はありません。研究では、感情のこもった謝罪ほど許されやすい傾向が示されていますが、許すかどうかを決めるのは被害を受けた側であり、時間をかけてよいとされています。

謝らない相手を、自分が変えることはできますか?

相手の内面を変えることを目標にするより、自分の気持ちを伝え、行動の変化があるかを見守ることが、研究で紹介されている現実的な向き合い方です。

出典

  1. Schumann, K. (2017). The Psychology of Offering an Apology: Understanding the Barriers to Apologizing and How to Overcome Them. PsyArXiv preprint(Current Directions in Psychological Scienceに掲載). https://doi.org/10.31234/osf.io/ykxns_v1
  2. Exline, J. J., Baumeister, R. F., Bushman, B. J., Campbell, W. K., & Finkel, E. J. (2004). Too proud to let go: narcissistic entitlement as a barrier to forgiveness. Journal of Personality and Social Psychology. https://doi.org/10.1037/0022-3514.87.6.894
  3. Russell, P. S., Hepper, E. G., Fasoli, F., Hopkins-Doyle, A., & Boone, F. (2025). Examining the dynamic impact of emotional apologies on forgiveness. Emotion. https://doi.org/10.1037/emo0001504
  4. Gollwitzer, M., & Okimoto, T. G. (2021). Downstream Consequences of Post-Transgression Responses: A Motive-Attribution Framework. Personality and Social Psychology Review. https://doi.org/10.1177/10888683211007021