別れた相手と友達に戻れるのか。元恋人との友人関係の研究
「これからも友達でいようね」。別れ際にそう言ったものの、本当に友達に戻れるのか迷う人は少なくありません。相手と連絡を取り続けていいのか、それとも距離を置くべきなのか。研究を見ると、友達に戻れるかどうかは、友達でいたい「理由」によって大きく変わることがわかってきました。
3行でわかる
- 元恋人と友達でいる理由は、主に「安心」「実利」「礼儀」「未練」の4つに分けられ、「未練」が理由の友情は悪い結果につながっていた。
- 348人から集めた理由をもとにした研究では、「信頼できる・思い出がある」という理由が最も重視され、実利的な理由は最も重視されていなかった。
- 元恋人の友人は、恋愛関係がなかった異性の友人と比べて、良い面が少なく悪い面が多く、恋愛感情も残りやすかった。
01何が起きているのか
元恋人と友達でいられるかは、2人の関係の終わり方と、友達でいたい理由しだいです。元恋人との友情は、普通の異性の友人関係とは性質が違うと考えられています。
別れた後も友達でいるカップルは珍しくありません。研究では、性別、性的指向、愛着のスタイル、別れてからの期間、別れた理由などが、友達でいるかどうかに関わっていました。
ただし、「友達」という言葉の中身は人によって違います。純粋に信頼できる相手として付き合う人もいれば、まだ気持ちが残っていて、つながりを切れずにいる人もいます。
自分がどちらなのかを見分けることが、友達に戻るかどうかを決める手がかりになります。
02研究でわかっていること
友達でいる理由が「安心」や「実利」なら良い結果につながりやすく、「未練」だと悪い結果につながっていました。
Griffithら(2017)[1]
2つの研究で、元恋人と友達でいる理由を「安心」「実利」「礼儀」「未練」の4つに分けた。未練が理由の友情は悪い結果につながり、安心や実利が理由の友情は比較的良い結果につながっていた。実利や礼儀が理由の友情は、長続きしにくかった。
対象: 2つの研究の参加者 / 限界: 自己報告にもとづく調査で、別れ方の個別の事情までは考慮しきれない。
Mogilski & Welling(2017)[2]
348人から元恋人と友達でいる理由を集め、別の参加者に重要度を評価してもらった。「信頼できる・思い出がある」という理由が最も重視され、実利的な理由は最も重視されていなかった。男性は、実利や性的な関係を理由として女性より高く評価していた。
対象: 理由を集めた348人と、評価をした数百人 / 限界: 理由の重要度の評価で、実際の友情の続き方を見たものではない。
Schneider & Kenny(2000)[3]
元恋人の友人と、恋愛関係がなかった異性の友人がいる人に、2人の友人について答えてもらった。元恋人の友人は、良い面が少なく悪い面が多く、恋愛感情も残りやすかった。研究者は、元恋人との友情は普通の異性の友情とは性質が違うと結論づけている。
対象: 両方のタイプの異性の友人がいる男女 / 限界: 2000年の研究で、SNSが広まった現在とは状況が異なる。
03見抜くサインと、身を守る小さな一歩
友達でいたい理由を、自分の言葉で書き出してみることが第一歩です。未練が理由なら、いったん距離を置く方が自分を守れます。
友達でいたい理由を正直に書き出す
「信頼できる相手だから」「共通の友人が多いから」「まだ好きだから」など、思いつく理由を全部書きます。未練が一番の理由なら、友達として会うのはしばらく控えます。
所要 5分
連絡のあとの気持ちを観察する
連絡を取ったあと、気持ちが落ち着くか、それとも落ち込んだり期待したりするかを見ます。後者が続くなら、距離を置くサインです。
所要 数日
一定の期間、連絡を取らない時間をつくる
気持ちが整理できるまで、期間を決めて連絡を控えます。そのうえで改めて友達に戻れるかを考えても遅くありません。
所要 1〜数か月
04距離の取り方と相談先
友達に戻ることは義務ではありません。相手から責められたり支配されたりしていた関係なら、友達に戻る必要はなく、距離を取ることを優先してください。
- 「友達でいなければ冷たい人だと思われる」と無理をしなくて大丈夫です。
- 新しい恋人ができたときは、元恋人との関係について正直に話しておくと、すれ違いを防げます。
- 共通の友人がいる場合は、2人きりでは会わず、グループで会う形から始める方法もあります。
- 別れた後も連絡や待ち伏せが続き、怖いと感じるときは、すぐに相談窓口や警察に相談してください。
05よくある質問
元恋人と友達でいることについて、よく検索される疑問に研究の範囲で答えます。
元カレ・元カノと友達に戻れる?
戻れることもありますが、理由しだいです。研究では、安心や実利が理由の友情は比較的良い結果につながり、未練が理由の友情は悪い結果につながっていました。
元恋人と友達でいるのは、未練がある証拠?
そうとは限りません。信頼できる相手だから、共通の友人が多いからといった理由もあります。ただし、元恋人との友情には恋愛感情が残りやすいことも研究でわかっています。
元恋人と友達でいる人は、どんな理由が多いの?
348人から集めた理由をもとにした研究では、「信頼できる・思い出がある」という理由が最も重視されていました。
元恋人と友達でいるのは、普通の友達と同じ?
同じではないようです。研究では、元恋人の友人は、恋愛関係がなかった異性の友人と比べて、良い面が少なく悪い面が多く、恋愛感情も残りやすいという結果でした。
出典
- Griffith, R. L., Gillath, O., Zhao, X., & Martinez, R. (2017). Staying friends with ex-romantic partners: Predictors, reasons, and outcomes. Personal Relationships, 24, 550-584. https://doi.org/10.1111/pere.12197
- Mogilski, J. K., & Welling, L. L. M. (2017). Staying friends with an ex: Sex and dark personality traits predict motivations for post-relationship friendship. Personality and Individual Differences, 115, 114-119.(内容は英国心理学会 Research Digest の紹介で確認) https://doi.org/10.1016/j.paid.2016.04.016
- Schneider, C. S., & Kenny, D. A. (2000). Cross-Sex Friends Who were Once Romantic Partners: Are they Platonic Friends Now? Journal of Social and Personal Relationships, 17(3), 451-466. https://doi.org/10.1177/0265407500173007
