SNSでの元恋人チェックはなぜやめられないのか。未練と監視行動の研究

別れたはずなのに、つい元恋人のSNSを見てしまう。もうやめたいのに指が勝手に動いてしまう、という経験は珍しくありません。この行動がなぜ続いてしまうのか、そしてそれが立ち直りにどう影響するのか、複数の研究で調べられています。
3行でわかる
- 464人を対象にした調査では、元恋人のSNSを見張るほど、未練や落ち込みが強く、個人的な成長は低い傾向があった。
- 431人の調査では、自分から別れを切り出さなかった人ほど、別れ直後に相手を監視しやすいことがわかった。
- 7日間の記録調査では、わざと検索して見に行く行動は、その日だけでなく翌日の気分の落ち込みにもつながっていた。
01「見てしまう」のには理由がある
元恋人のSNSを確認する行動は、別れへの動揺や未練の強さと結びついていることが研究で示されている。
単なる好奇心というより、別れに対する感情的な処理がまだ終わっていないサインとして、この行動が表れることが多いとされています。特に、自分から別れを切り出さなかった場合や、まだ相手への気持ちの整理がついていない場合に、この傾向が強まりやすいことがわかっています。
02科学的にわかっていること
元恋人のSNSを見張る行動は、立ち直りを遅らせる方向に働く傾向がある。
Marshall(2012)[1]
別れを経験した464人を対象に調査したところ、元恋人のFacebookを監視する人ほど、別れへの落ち込み・未練・性的な欲求が強く、個人的な成長は低かった。友達関係を続けていた人は、未練は低い一方、成長という面では低い傾向も見られた。
対象: 別れを経験した成人464人 / 限界: オフラインでの接触や性格特性を統制したうえでの関連であり、因果関係を断定するものではない。
Fox・Tokunaga(2015)[2]
431人を対象に、愛着スタイルや別れへの動揺と、元恋人の監視行動の関係を調べた。別れへの動揺が強い人ほど、特に自分から別れを切り出さなかった場合に、別れ直後の監視行動が多かった。
対象: オンライン調査に回答した成人431人 / 限界: 自己申告によるアンケート調査で、実際の監視頻度そのものを観察したものではない。
Marshall(2026)[3]
別れを経験したイギリスの大学生77人に、7日間毎晩「わざと検索して見に行ったか」「たまたま見かけたか」を記録してもらった。わざと検索する「能動的な確認」は、その日だけでなく翌日の気分の落ち込みにもつながっていたが、「たまたま見かけた」場合はその日限りの影響にとどまった。
対象: イギリスの大学生77人、7日間の日記調査 / 限界: 大学生を対象とした短期間の調査で、他の年代や長期的な影響は今後の課題。
03見る回数を減らすには
「たまたま見る」機会そのものを減らす工夫が、意志の強さより効果的な場合がある。
ミュート機能を使う
ブロックまでしなくても、投稿が表示されないようにするだけで「たまたま見る」機会を減らせる。
検索する前に一呼吸置く
わざと検索する行動が最も影響が大きいとされている。検索しようとした瞬間に、一度手を止める習慣をつける。
見てしまった日は自分を責めない
その日の気分が落ち込んでも、翌日には引きずらないことも多いとわかっている。1回見たことで挫折したと思わなくてよい。
04よくある質問
友達のまま繋がっているのは良くない?
研究では、友達関係を続けた人の方が未練や性的な欲求は低い傾向がありましたが、個人的な成長という面ではむしろ低くなっていました。良い面と悪い面の両方があるため、一概に良い・悪いとは言えません。
たまたま見かけてしまうのと、わざと検索するのとで違いはある?
研究では区別されています。わざわざ検索して見に行く「能動的な確認」の方が、その日だけでなく翌日の気分の落ち込みにもつながる傾向が確認されました。たまたま見かけてしまう「受動的な接触」は、その日の気分の落ち込みとは関連しましたが、翌日への影響は確認されませんでした。
出典
- Marshall, T. C. (2012). Facebook Surveillance of Former Romantic Partners: Associations with Postbreakup Recovery and Personal Growth. Cyberpsychology, Behavior, and Social Networking, 15(10), 521-526. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3472530/
- Fox, J., & Tokunaga, R. S. (2015). Romantic Partner Monitoring After Breakups: Attachment, Dependence, Distress, and Post-Dissolution Online Surveillance via Social Networking Sites. Cyberpsychology, Behavior, and Social Networking, 18(9). https://doi.org/10.1089/cyber.2015.0123
- Marshall, T. C. (2026). Social media observation of ex-partners is associated with greater breakup distress, negative affect, and jealousy. Computers in Human Behavior, 176. https://doi.org/10.1016/j.chb.2025.108876