既読・未読への不安はどこから来るのか。恋愛と嫉妬の心理の研究

送ったメッセージがなかなか既読にならない。既読になったのに返信が来ない。そのたびに気持ちがざわつくのは、あなただけではありません。この不安の背景には、対人関係全般に関わる心理的な傾向が関わっていることが研究でわかっています。
3行でわかる
- 交際中の84人を対象にした調査では、愛着不安の強さが感情面・思考面・行動面すべての嫉妬と関連していた。
- やり取り全体に占めるメッセージの割合が多いカップルほど、関係の満足度は低い傾向が確認された。
- 愛着に不安を抱える人ほど、わざと返信を遅らせて相手の嫉妬を誘う駆け引きをしやすいことも報告されている。
01不安の強さには個人差がある
連絡が来ないことへの不安の感じ方には、「愛着スタイル」と呼ばれる対人関係の傾向が関係している。
愛着スタイルとは、人が対人関係の中でどう安心感を得るかの傾向を表す考え方です。中でも「不安型」と呼ばれる傾向が強い人は、相手からの反応が少しでも遅れると、見捨てられるのではないかという不安を感じやすいとされています。これは性格が悪いということではなく、多くの人に見られる傾向のひとつです。
02科学的にわかっていること
愛着不安が強い人ほど、オンラインでのやり取りにまつわる嫉妬を感じやすい傾向が確認されている。
Sullivan(2021)[1]
交際中のカップル84人を対象に、愛着不安とオンライン上の嫉妬(感情・思考・行動の3種類)の関連を調べた。愛着不安が強い人ほど、感情的な嫉妬・相手を疑う思考・詮索するような行動のすべてで嫉妬の傾向が高かった。ただしオンライン communication への否定的な態度が強い人では、この関連が弱まることもわかった。
対象: 交際中の大学生カップル84人(女性69%) / 限界: 大学生中心のサンプルで、他の年代への一般化は今後の課題。
Luo(2014)[2]
やり取り全体に占めるメッセージ利用の「割合」に注目した調査。メッセージが占める割合が高いカップルほど、関係の満足度が低い傾向が確認された(送信数そのものは満足度とあまり関連しなかった)。愛着に不安がある人・回避傾向がある人の両方で、メッセージ利用が多くなる傾向も見られた。
対象: 交際中の成人を対象とした調査 / 限界: メッセージの内容までは区別しておらず、量的な利用傾向に注目した調査。
Wegnerら(2018)[3]
大学生263人を対象に、愛着スタイルと「相手の嫉妬をわざと誘う」行動の関連を調べた。不安が強いタイプほど、非主張的なコミュニケーションを介して嫉妬を誘う行動を取りやすく、安定したタイプではこうした行動との関連は見られなかった。
対象: 大学生263人 / 限界: 自己申告によるアンケート調査で、実際の行動観察ではない。
03不安と上手につき合うには
返信の速さを「愛情の証」と決めつけず、自分の不安の傾向を知ることから始める。
返信が遅い理由を1つに決めつけない
忙しい、通知に気づいていないなど、可能性は複数ある。「嫌われた」以外の理由も一度考えてみる。
不安なときほど連投しない
不安な気持ちのままメッセージを重ねると、かえって負担に感じられることがある。時間を置いてから送る。
駆け引きに頼りすぎない
わざと返信を遅らせて相手の反応を試す行動は、研究では満足度の高さと結びついていない。素直に伝える方法も選択肢に入れる。
04よくある質問
不安になりやすいのは自分の性格のせい?
性格そのものというより「愛着スタイル」という、対人関係での安心の得方の傾向が関係しているとされています。不安型の傾向がある人は、連絡の間が空くこと自体を「見捨てられるサイン」と感じやすいことが研究でわかっています。悪いことではなく、傾向として理解しておくと対処しやすくなります。
わざと返信を遅らせて相手の気を引くのは効果がある?
研究では、愛着に不安を抱える人ほど、相手の嫉妬を誘うような駆け引きを行いやすいことがわかっています。ただし、それが関係の満足度を高めるという結果は確認されておらず、むしろやり取りの割合が多いほど満足度が下がる傾向も報告されています。効果を保証するものではありません。
出典
- Sullivan, K. T. (2021). Attachment Style and Jealousy in the Digital Age: Do Attitudes About Online Communication Matter? Frontiers in Psychology. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8322522/
- Luo, S. (2014). Effects of texting on satisfaction in romantic relationships: The role of attachment. Computers in Human Behavior, 33, 145-152. https://doi.org/10.1016/j.chb.2014.01.014
- Wegner, R., Roy, A. R. K., Gorman, K. R., & Ferguson, K. (2018). Attachment, relationship communication style and the use of jealousy induction techniques in romantic relationships. Personality and Individual Differences, 129, 6-11. https://doi.org/10.1016/j.paid.2018.02.033