しぐさ・ボディランゲージ

相づち・うなずきが多い人は本当に聞いているのか。うなずきと好印象の研究

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Cup of coffee on café table
Photo: Ssu / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開されている研究論文をAI(Claude)が調べ、内容を確認して整理しました。特定の人を診断・判定するものではありません。出典は末尾にあります。

話している間、相手が何度もうなずき「うんうん」と返してくれる。うれしい反面、「本当に聞いているのかな」と気になることはありませんか。結論から言うと、うなずきは見る側の好印象を高めますが、気が散っていても続きやすい反応です。聞いている証拠になるのは、回数よりも話の中身に合った反応や質問です。

3行でわかる

  1. 初対面63組の実験では、聞き手の気をそらすと、うなずきや「うん」より、話の中身に合わせた具体的な反応の方が大きく減った。
  2. うなずく動作は、見る側の「好ましさ」と「近づきやすさ」の評価を高める。ただしそれは見る側の印象で、うなずく側の好意の証拠ではない。
  3. 大学生115人の実験では、相づち中心より、言い換えて質問する聞き方の方が「理解された」と強く感じられた。

01何が起きているのか(悩みの正体)

相づちやうなずきは、聞き手が「聞いています」と示す合図です。ただ、合図であることと、中身を理解していることは別の話です。

会話の研究では、話し手が話している間に聞き手が返す短い反応を「バックチャネル(相づち)」と呼びます。うなずき、「うん」「へえ」「なるほど」などがこれに当たります。話し手は、この合図を手がかりに話を続けます。

悩みの正体は、この合図がとても手軽なことにあります。うなずきは、話の内容をほとんど追っていなくても出せます。そのため「うなずきが多い=しっかり聞いている」とは言い切れません。一方で、うなずきが好印象につながることも研究で確かめられています。どこまで読めて、どこからが読めないのかを分けて見ていきます。

02研究でわかっていること

うなずきは好印象を生みますが、気が散っても残りやすい反応です。聞いていることを示すのは、話の中身に合わせた具体的な反応です。

Bavelas・Coates・Johnson(2000年)[1]

初対面の63組に、片方が自分の「ヒヤッとした体験」を話す実験を行った。聞き手の反応は2種類に分かれた。うなずきや「うん」のような汎用的な反応と、顔をしかめる・声を上げるなど話の中身に合わせた具体的な反応である。聞き手の気を別の作業でそらすと反応は減り、特に具体的な反応が減った。話し手の話もうまくまとまらなくなり、山場となる結末で特に崩れた。

対象: 初対面の63組(女性81人・男性45人) / 限界: 体験談を話す実験室の場面で、日常の長い会話や恋愛の場面にそのまま当てはまるとは限らない。

Osugi・Kawahara(2018年)[2]

CGで作った人物の動画で、うなずく・首を横に振る・動かない、の3条件を比べた。うなずく動作は、首振りや動かない条件より「好ましさ」と「近づきやすさ」の評価を高めた。首を横に振る動作は評価に影響しなかった。高まった好ましさは、見た目よりも性格から来る好ましさだった。

対象: CG人物の動画を見た実験参加者 / 限界: 実在の人との会話ではなく、短い動画への印象評価にとどまる。

Weger・Bell・Minei・Robinson(2014年)[3]

大学生115人が、大学への不満を訓練を受けた聞き手に話した。聞き手の返し方は3通り。うなずきなどの相づちが中心の「受け止めるだけ」、相手の話を言い換えて詳しく尋ねる「アクティブリスニング」、そして「アドバイス」である。話し手が「理解された」と最も強く感じたのはアクティブリスニングだった。聞き手の人としての魅力は、相づち中心の群が最も低く評価された。

対象: 大学生115人(女性70.9%、平均20.01歳) / 限界: 1回きりの会話で、聞き手のしぐさそのものは変数として調べていない(要約はミネソタ大学の研究紹介ページで確認)。

White(1989年)[4]

アメリカ中西部の人と日本で生まれ育った人の英語の会話を比べたところ、相づちは日本人の聞き手の方がはるかに多かった。日本人の聞き方は相手が変わっても変わらず、アメリカ人の方が相手に合わせて相づちを増やした。相づちの習慣の違いが、相手の性格への否定的な評価につながる証拠は見つからなかった。

対象: アメリカ人と日本人の英語会話 / 限界: 1980年代の研究で、話者の数や場面は限られる。

Briñol・Petty(2003年)[5]

説得力のあるメッセージを聞きながら、参加者にうなずかせるか首を横に振らせる実験を3つ行った。論拠が強いメッセージでは、うなずいた人の方が説得されやすかった。論拠が弱いと逆になった。うなずきは、聞いている本人が自分の考えに持つ自信を強める、と著者らは解釈している。

対象: 3つの実験の参加者 / 限界: うなずきは指示されて行ったもので、自然な相づちとは異なる。

03見抜くサインと、身を守る小さな一歩

うなずきの回数から読めるのは「会話に合わせようとしている」までです。聞いているかどうかは、話の中身に合った反応や質問で確かめます。

1

回数ではなく「タイミング」を見る

うなずきが話の区切りや山場に合っているか、どこでも一定のリズムで続いているかに注目する。

所要 1分

2

話の中身に合った反応があるか見る

驚く場面で驚く、つらい場面で表情が曇るなど、内容に合った具体的な反応は、話を追っているサインになる。

所要 3分

3

軽く確かめる質問をする

「どう思う?」と意見を聞いてみる。言い換えや続きの質問が返ってくれば、聞いていたと判断しやすい。

所要 2分

4

聞いていなくても責めない

疲れや考えごとで気がそれるのは誰にでもある。大事な話は、相手が落ち着いて聞ける時間に改めて切り出す。

所要 5分

04距離の取り方と相談先

うなずきの多さで相手を信じ切ったり、疑ったりする必要はありません。話を聞いてもらえないつらさが続くときは、専門の窓口に相談できます。

05よくある質問

相づちやうなずきについて、よくある疑問にお答えします。

相づちやうなずきが多い人は、話をちゃんと聞いているのですか?

そうとは限りません。実験では、聞き手の気をそらすと、うなずきや「うん」よりも、話の中身に合わせた具体的な反応の方が大きく減りました。うなずきの多さより、内容に合った反応や質問があるかで判断する方が確かです。

うなずきが多い人は、自分に好意があるのですか?

好意の証拠にはなりません。うなずく動作は見る側の好感度を高めることが確かめられていますが、それは見る側の印象の話です。日本語の会話はもともと相づちが多いことも知られており、回数から好意を読み取るのは難しいといえます。

相づちを増やせば、聞き上手だと思われますか?

相づちだけでは足りない可能性があります。115人の大学生を対象にした実験では、うなずき中心の相づちより、相手の話を言い換えて深掘りの質問をした方が、話し手は「理解された」と強く感じていました。

出典

  1. Bavelas, J. B., Coates, L., & Johnson, T. (2000). Listeners as co-narrators. Journal of Personality and Social Psychology, 79(6), 941-952. https://doi.org/10.1037/0022-3514.79.6.941
  2. Osugi, T., & Kawahara, J. I. (2018). Effects of head nodding and shaking motions on perceptions of likeability and approachability. Perception, 47(1), 16-29. https://doi.org/10.1177/0301006617733209
  3. Weger, H., Bell, G. C., Minei, E. M., & Robinson, M. C. (2014). The relative effectiveness of active listening in initial interactions. International Journal of Listening, 28(1), 13-31. https://doi.org/10.1080/10904018.2013.813234(研究紹介: University of Minnesota, REACH)
  4. White, S. (1989). Backchannels across cultures: A study of Americans and Japanese. Language in Society, 18(1), 59-76. https://doi.org/10.1017/S0047404500013270
  5. Briñol, P., & Petty, R. E. (2003). Overt head movements and persuasion: A self-validation analysis. Journal of Personality and Social Psychology, 84(6), 1123-1139. https://doi.org/10.1037/0022-3514.84.6.1123