絵文字やスタンプが多いのは好意のサインか。絵文字と好印象の研究

LINEやメッセージのやり取りで、絵文字やスタンプをたくさん使ってくれる相手。見るたびに「これは好意のサインなのかな」と気になってしまう人は多いはずです。実際にどこまで信じていい反応なのか、研究から確かめます。
3行でわかる
- 絵文字つきのメッセージは、文字だけのメッセージより「相手がわかってくれている」という感覚(応答性)を強めることが実験で確認された。
- 5,000人以上を対象にした調査では、気になる相手に絵文字をよく使う人ほど、デートの回数や関係の継続と結びついていた。ただしこれは相関関係で、絵文字が原因とは言えない。
- 167本の論文をまとめたレビューでは、ネガティブな意味の絵文字で送り手と受け手の感じ方が26%ずれることがあるという研究が紹介されている。絵文字の数だけで気持ちを決めつけるのは危うい。
01何が起きているのか。絵文字が「好意の暗号」に見える理由
絵文字やスタンプが多いと好かれていると感じやすくなるのは、絵文字の意味そのものではなく、やり取りが温かく感じられることの効果だと考えられている。
文字だけのメッセージには、表情や声のトーンが伝わりません。同じ内容でも、ちょっと素っ気なく見えてしまうことがあります。そこに絵文字やスタンプが添えられると、「気にかけてくれている」という印象が強まります。
好きな相手からのメッセージほど、1つの絵文字の意味を深読みしたくなるのも無理はありません。ただ、絵文字が与える印象と、相手の本当の気持ちは、必ずしも同じものではありません。
02研究でわかっていること
絵文字は会話を温かく感じさせ、関係の近さや満足感の実感にもつながっていた。ただし絵文字の多さそのものを好意の証拠として確認した研究ではない。
Huh(2025)[1]
アメリカの260人に、親しい友人からの返信という想定で15件の会話を見せた実験。参加者を「文字だけ」と「同じ内容に絵文字を加えたもの」のどちらかに分けて比べた。絵文字が入ったメッセージは、文字だけのメッセージより「相手が自分をわかってくれている」という感覚(応答性)の評価が明確に高く(5点満点で平均4.43 対 3.57)、この感覚の高さが、相手への親密さや、やり取りへの満足感の高さにもつながっていた。
対象: アメリカの成人260人(オンラインで募集)、友人との15件の会話を文字のみ/絵文字つきで比較する実験 / 限界: 友人とのやり取りを想定し、見せられた会話への印象を聞いた実験。恋愛の相手や実際の関係で「好きかどうか」を直接確かめたものではない。
Gesselman・Ta・ガルシアら(2019)[2]
独身のアメリカ人5,327人への調査では、デート候補の相手とのメッセージで絵文字(顔文字を含む)をよく使う人ほど、過去1年間の初デートの回数や性的な関係の頻度が多かった。独身の275人を対象にした2つ目の調査でも、直近のデート相手に絵文字をよく使っていた人ほど、2回目のデートに進んだり、交際に進んだりした割合が高かった(オッズ比はおよそ1.3〜1.7)。
対象: アメリカの独身者5,327人、2つ目の調査275人 / 限界: いずれも一時点の調査による相関関係で、絵文字が原因でデートが増えると確認したものではない。もともと感情表現が豊かな人が絵文字も使いやすい、という可能性も残る。
Bai・Dan・Mu・Yangら(2019、レビュー)[3]
絵文字に関する167本の論文をまとめたレビュー。絵文字は気持ちを伝える助けになる一方、同じ絵文字でも送った人と受け取った人で感じ方がずれることがあり、ネガティブな意味合いの絵文字では両者の受け取り方が26%ずれることがあるという研究(Berengueres & Castro, 2017)を紹介している。使っている機種やアプリによって絵文字の見た目自体が変わることも、ずれの一因とされている。
対象: 絵文字に関する既存の論文167本のレビュー / 限界: レビュー論文であり、新しい実験データではない。
03見抜くサインと、身を守る小さな一歩
絵文字が多いとやり取りが温かく感じられるのは確かだが、絵文字の数だけで相手の気持ちを決めつけない。
絵文字の「数」より「やり取り全体の心地よさ」を見る
絵文字の数を採点するより、会話全体で気にかけられていると感じるかどうかを基準にする。絵文字はその印象を強める材料の1つにすぎない。
気づいたときに
意味がわからない絵文字は深読みせず聞く
同じ絵文字でも、送った人と受け取った人で感じ方がずれやすいと研究で報告されている。気になる使われ方をされたら、深読みより一言確認したほうが確実。
気になったとき
絵文字だけでなく会う約束や言葉も合わせて見る
絵文字は関係を温かく見せる効果があるだけで、好意の証明ではない。会う頻度や、言葉での意思表示とあわせて判断する。
数回のやり取りで
04距離の取り方と相談先
既読や返信スピードと同じく、絵文字の量だけで相手の気持ちを測ろうとしすぎると、かえって疲れてしまう。
- 絵文字が少ない=嫌われている、とは限らない。文章そのもので気持ちを伝えるタイプの人もいる
- 絵文字の量に一喜一憂を続けてしまうときは、既読・未読への不安と嫉妬の心理の記事も参考になる
- 相手のメッセージの絵文字の使い方まで細かく管理したり、誰に送ったか問いただすようになったら、束縛や支配の側面がないかを見分ける記事を参考にする
- 相手の気持ちの読み取りにとらわれて苦しいときは、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)に相談できる
05よくある質問
絵文字やスタンプの多さについて、よくある疑問にお答えします。
絵文字やスタンプが多い人は、自分に好意がありますか?
それだけでは判断できません。実験では絵文字つきのメッセージの方が「わかってくれている」と感じやすいとわかっていますが、これは絵文字そのものの効果で、必ずしも好意の証拠ではありません。
絵文字をよく使う相手とは、実際にデートや交際に進みやすいのですか?
そういう傾向を報告した調査はあります。5,000人以上を対象にした調査では、気になる相手に絵文字をよく使う人ほど、デートの回数や関係の継続と結びついていました。ただしこれは相関関係で、絵文字が原因でデートが増えるとまでは言えません。
自分が送る絵文字が相手にどう伝わっているか、気にした方がいいですか?
はい。研究では、同じ絵文字でも送った側と受け取った側で感じ方が大きくずれることがあると報告されています。特にネガティブな意味を持つ絵文字は誤解されやすく、気になるときは絵文字に頼らず言葉で伝える方が確実です。
出典
- Huh, E. (2025). The impact of emojis on perceived responsiveness and relationship satisfaction in text messaging. PLoS One, 20(7), e0326189. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0326189
- Gesselman, A. N., Ta, V. P., & Garcia, J. R. (2019). Worth a thousand interpersonal words: Emoji as affective signals for relationship-oriented digital communication. PLoS One, 14(8), e0221297. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0221297
- Bai, Q., Dan, Q., Mu, Z., & Yang, M. (2019). A systematic review of emoji: Current research and future perspectives. Frontiers in Psychology, 10, 2221. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2019.02221


