危険な相手のサイン

デートDVはなぜ見過ごされるのか。「暴力と気づく」男女差の研究

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Photo: PattayaPatrol / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(特定の人を診断するものではありません。出典は末尾)。

殴る・蹴るのような身体的な暴力なら誰の目にも明らかだ。だが「監視する」「見下す発言をする」といった行為は、同じ深刻さであっても見過ごされやすい。しかもその見過ごされ方には、はっきりとした男女差があることが研究でわかっている。

3行でわかる

  1. 内閣府の調査では、交際相手からの被害経験は女性22.7%・男性12.0%と報告されている。
  2. 支配・独占欲や見下す言動を「非常に深刻」と評価した人は、女性で半数〜3分の2、男性では約3分の1にとどまった。
  3. 身体的な暴力に近づくほど男女とも深刻だと認識しやすくなるが、初期のコントロール的な行動ほど見過ごされやすい。

01「殴られていないから大丈夫」の危うさ

身体的な暴力に至る前の段階ほど、暴力として認識されにくい。

内閣府の調査では、交際相手がいた人のうち、女性の22.7%・男性の12.0%が交際相手から何らかの被害を受けた経験があると回答している。一方で、無視する・行動を監視する・怒鳴るといった行為は、身体的な暴力と比べて「暴力にあたる」と判断されにくいことが、認識に関する調査で示されている。深刻さの実質は変わらなくても、見た目にわかりやすい暴力ほど深刻だと判断されやすいというバイアスが働いている可能性がある。

02科学的にわかっていること

同じ行動でも、それを「深刻だ」と評価するかどうかに、はっきりとした男女差がある。

内閣府「男女間における暴力に関する調査」[1]

交際相手がいた人を対象にした全国調査。交際相手から何らかの被害(身体的・精神的・経済的・性的)を受けた経験があると回答した割合は、女性22.7%・男性12.0%だった。

対象: 全国の男女を対象にした内閣府の調査 / 限界: 自己申告に基づく調査であり、被害を自覚していないケースは反映されにくい。

Journal of Interpersonal Violence掲載の若年層調査[2]

男性49人・女性152人を対象に、交際相手の警告サイン行動(支配・独占欲/見下す言動/対立・報復)をどれだけ深刻と感じるか評価させた調査。支配・独占欲や見下す言動を「非常に深刻」と評価した割合は、女性で半数〜3分の2に上ったのに対し、男性では約3分の1にとどまり、統計的に大きな男女差が確認された。

対象: 男性49人・女性152人を対象にしたオンライン調査 / 限界: サンプル数が男女で偏っており、大学生など若年層中心の調査である。

日本国内の未婚男女を対象にした調査[3]

交際中の未婚男女を対象にした調査。同程度の行為であっても、女性はそれをデートDVと捉える一方、男性は同じ行為をDVと捉えない傾向が報告されている。

対象: 日本国内の交際中の未婚男女 / 限界: 調査対象の年齢層・地域が限定されており、全世代への一般化には注意が必要。

03見過ごさないために

「暴力かどうか」の判断基準を、身体的な行為だけに限定しない。

1

「殴っていないから暴力ではない」で線を引かない

監視・見下す言動も、研究では深刻な警告サインとして扱われている。

2

自分の「深刻さ」の感じ方を過信しない

同じ行為でも受け止め方に性別による差があることが示されている。周囲や専門家の視点も参考にする。

3

初期段階のコントロール的な行動に注意を向ける

見過ごされやすいのはまさに初期段階の行動であり、そこに気づくことが早期の対処につながる。

04よくある質問

監視や無視は暴力に含まれるの?

研究では、支配・独占欲や相手を見下す言動(denigration)は、身体的な暴力に比べて「暴力」と認識されにくいことが示されています。ただしこれらは深刻な行動として扱われるべきものであり、「殴っていないから暴力ではない」という判断基準は研究上支持されていません。

男性の方が被害を認識しにくいのはなぜ?

研究では、支配・独占欲や見下す言動を「非常に深刻」と評価した割合は、女性が半数から3分の2だったのに対し、男性は約3分の1にとどまりました。男女で行為の深刻さの受け止め方に差があること自体が、被害の見過ごしにつながっている可能性があります。

出典

  1. 内閣府. 男女間における暴力に関する調査. https://www.gender.go.jp/kaigi/senmon/boryoku/siryo/pdf/bo78-4_2.pdf
  2. Gender differences in perceptions of intimate partner warning-sign behaviors. Journal of Interpersonal Violence.
  3. 成人におけるデートDVの実態とダメージの認知:依存的恋愛観と暴力容認傾向との関連. https://oiu.repo.nii.ac.jp/record/198/files/21-3-035.pdf